アセスメント

「検査法」は極めて客観的な視点を提供してくれます

「観察法」「情報収集法」と比較して,「検査法」は極めて客観的な視点を提供してくれます。検査は子どもが発達的な道筋のどの位置に到着しているのかを示してくれます。

元来、検査は信頼性(検査結果が安定しているかどうか示すもの)と,妥当性(測るべきものをきちんと測れているか)をクリアしてはじめて世の中に出てきます。ひとつの検査を作り出すには,膨大なサンプル数・手間・時間・費用をかけて標準化(心理検査・発達検査に関して厳密な規格を設定する手続き)します。(検査用紙を買わずにコピーして使用することは厳に慎むべきだという理由には,このように苦労して作った方々への敬意と,お金を出して検査用紙を購入することで、次の検査器具への開発に貢献ができるということにあります。)

さて,子どもを正しく理解するには,この「検査法」による結果の読み取りと,「観察法」による実際の行動観察での子供の状態像の把握の両方が必要です。それなくして,たった一回の検査だけで子どもを判断するのは無謀ですし,子どもに失礼です。

ですから専門機関においては,複数の検査を組み合わせて用いる(これをテスト・バッテリーと言っています。)ことを行います。ひとつのテストだけで子どもを判断することには限界があるからです。

私の場合1つの検査結果から見て,別の角度からもう少し調べた方がいいと思われるクライアントには,ふたつめの検査を勧めることがあります。(例えば,視知覚に課題を感じたクライアントには,「DTVPフロスティッグ視知覚発達検査」を提案したり,ことばを持つ子どもであっても,コミュニケーションとしての力をより深く知るために,「質問-応答検査」などを提案したり,全体的な発達プロフィールをもう少し詳しく見た方がいいケースには「KIDS」を提案しています)。

どうされるかは本人と保護者に決定権があります。強制は一切していません。多面的に子どもを見ていくのがいいということなのです。

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