不適応トラウマ支援

【阪神淡路大震災特集】PTSDを知ることは被災者理解につながる①

PTSD Posttraumatic Stress Disorder
 心的外傷後ストレス障害

PTSDとはなにか?

PTSDは、ベトナム帰還兵のPTSDがモデルとなっています。ですから実際例では、若干、診断定義どおりでない患者も登場します。が、大まかには以下の5つの用件を全て満たしていることとなっています。

トラウマになるようなことを体験していること

・・・・・・・その個人がPTSDの契機となったトラウマに対して、どれだけ恐怖や無力感を感じていたかという点が重要です。

おなじ体験をしても、PTSDになる人ならない人がいます。その疑問については、現在多くの学者が研究していますが、
レイプで50~60%、阪神・淡路大震災で3%の、出現率というところからみて、ひとつの鍵は、「孤立無援感」の有る無しに左右されるのではないかと考えられています。

 

再体験・侵入症状

・・・・・・・PTSDでよく知られている症状のフラッシュバックのことです。トラウマに関するさまざまな記憶が、自分の意思とは無関係に、繰り返し、イメージなどに突然生じてくるものです。重篤な場合は、トラウマ当時に戻ったように振る舞ってしまうこともあります

 


回避・麻痺

・・・・・・・トラウマに関する考え、ものごとをできるだけ避けようとする症状です。多くの人は、トラウマ体験を口にすることを避けます。話せば、また、苦痛がよみがえるからです。あまりにつらすぎる場合、そのときの記憶がまったく思い出せなくなります。これは、解離性健忘という症状です。

 

覚醒亢進症状

・・・・・・トラウマを蒙った人は、自律神経が過剰な亢進状態にあります。その結果、眠れなかったり、常にいらいらしたり、怒りを爆発させたり、集中力がなくなったり、ちょっとしたことに脅えたり、物音などに過剰に反応したりします。

 

症状が一ヶ月以上続くこと

・・・・・・①から④の症状があったからといってすぐにPTSDという診断にはなりません。通常の体験をはるかに超えた経験をしたときには誰でも生じます。なぜなら、PTSDの各症状は「異常事態下での正常な反応」だからです。

 

トラウマから一ヶ月以内で、同じような症状に苦しみ、支障をきたしている場合、これは、急性ストレス障害(Acute Stress Disorder:ASD)とされます。

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