臨床心理学

統合失調症について

統合失調症(schizophrenia)

以前は、「精神分裂病」と言われていた病気です。
「精神」が「分裂」する「病」と言われると、よく知らない人にとっては恐怖心を煽られます。そしてそれが、恐怖心のみならず社会的な偏見にもつながっていたということから名称が変わりました。

ですから今でも少し古い本には分裂病の文字が残っています。日本語訳が変わっただけでもともとの英語が変わったわけではありません。

一般人口における出現頻度は、ほぼ0.8%です。少ないと思われるでしょうが、1000人規模の小学校でしたら、そのうち8人が発症すると考えれば、案外身近な病気のような気もします。

きまった家系に頻発することから、「家族系統合失調症」ということばがあるくらいですが、単なる遺伝性疾患ではありません。原因は、脳のド-パミン異常だというのが多くの研究者の意見です。

<統合失調症のおもな症状>

 

陽性症状(人がふつう持たない異常な心理現象)

幻覚・・・・幻聴幻視があります。実際には対象がないのに、何かが見えたり、聞こえたりします。統合失調症においては、幻聴を訴える患者さんのほうが多いです。(アル中、麻薬中毒など、依存症患者には、幻視が多いです。)

妄想・・・・他人から説得されても訂正されない誤った信念です。具体的には、誰かから害を加えられ、苦しめられているという被害妄想、自分を過大に評価する誇大妄想などがあります。

自我障害・・・自分の考えが、他人に筒抜けになっていると感じる自我漏洩体験、誰かが考えを吹き込んでくるとか、誰かに命令され、操られていると感じる作為体験などがあります。

 

陰性症状(ふつうの心理機能が減少したり、欠落した状態)

連合弛緩・・・・話の文脈のまとまりが悪い事。「花は性だ。そして時計です。今日も明日も永遠にそうです。」「言葉は精神の母体的根源性であり、こころの彼岸性深淵性であり、霊に対して永遠の別離をもたらす。」「殺されるとはごちそうがあることなのです。ごちそうはタカラッペカラですから。」 あなたには、これらの意味がわかりますか。

自閉・・・自分の内面の主観的世界に閉じこもり、外の現実への関心を失うこと

感情の平板化・・・自然な喜怒哀楽の感情に乏しくなること

両価感情・・・同一の対象に対して、愛と憎しみ、行動しようとする意志と、しまいとする意志のように、相反する感情や意志が同時に起こること

発症は10歳代後半から30歳代前半です。40歳を越えて発症する事は、ほとんどありません。

<おまけ①>
精神科医の間では、「中パラ」と呼ばれている、中年パラノイアという症状があります。三ヶ月~六ヶ月くらいの間だけ、統合失調症の症状を示し、後は、きれいさっぱり直るといったものです。統合失調症の予後調査では、1/3が増悪、1/3が不変、1/3が軽快・寛解 といわれています。ですから、このすっきりさわやか、あとくされのない症状の去り方は、非常に貴重でしょう。

<おまけ②>
統合失調症の患者さんの会話のなかで、よく出てくる単語です。「NHK」・「朝日新聞」・「天皇」・「国鉄(JR)」などなど。民放である「TBS」などは、まず、出てきません。きっちりした組織とか、国家権力とか、お好きなのかなあと、ふと思ったりします。でも、わたしにはよくわかりません。

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