ラボ子のつぶやき

こころの問題を相談するのに、なぜ臨床心理士が重宝がられるのでしょうか?ご隠居さんのほうが人生経験も豊富で有益なのではないでしょうか?

臨床心理学とはなんでしょうか

米国心理学会(APA)では、臨床心理学を、科学理論、実践を統合して、人間行動の適応調整や人格的成長を促進しさらには,不適応、障害、苦悩の成り立ちを研究し、問題を予測し、そして問題を軽減、解消することを目指す学問である。」と包括的に定義しています。

つまり、臨床心理学の特徴として、人間行動がどのように維持発展されるかについての科学的探求に関わること、および人間の苦悩を生み出す状況を改善し、問題を解決していく専門的援助実践に関わることがあると言えます。つまり「科学者ー実践家モデル」(scientist-practitioner model)といえるでしょう。

日本の場合は「臨床心理学」「カウンセリング」「心理療法」といった概念が曖昧です。心理療法を理想モデルにしながら、実際はカウンセリングを実質モデルとして大多数を構成し、臨床心理学はほとんど機能していないというのが日本の臨床心理学の実態ではないでしょうか?

手短に言えば、日本の場合の臨床心理学は、学問としての歴史が浅く、まだまだ発展途上にあるといえます。が、広く心理的問題の解決や改善援助をする学問であるというところは、共通理解して良いと思います。

つまり、クライエントが自己の病を受け入れ、病を抱えつつ自己の人生を生きられるように心理的に援助するのが臨床心理学なのです。

こころの問題を相談するのに、なぜ臨床心理士が重宝がられるのでしょうか?近所の年配の方やご隠居さんのほうが、人生経験も豊富で有益なのではないでしょうか?

その答えは「カウンセリングは人生相談ではない」というところにあります。

カウンセリングの最終的なゴールは、カウンセラーから良いアドバイスをもらうことではなく、クライエントが自分自身で、気付くこと、自分の道を作っていくことにあります。

ですから、カウンセラーは人格理論・発達理論がきちんと頭に入り、こころの病理の理論もきちんと頭に入り、なおかつ、心理療法や、心理アセスメントもしっかり勉強して、そのクライエントに、一番合ったかたちの援助をしていくことができる人でなければなりません。

これが本ラボのメンバーが学び続ける理由です。

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